tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本を知らないIMFの対日報告

2012年10月12日 10時51分28秒 | 経済
日本を知らないIMFの対日報告
 大分前にも、IMFは日本の事を解っているのだろうかと疑問を述べた記憶がありますが、今回発表された報告書の日本の部分も、記者会見におけるビニャルス局長の発言でも日本についての理解の浅さを実感させられた思いです。

 基本的には、日本の市中銀行の国債保有(日本国債の保有)が多過ぎることが懸念材料だという事で、「今は良いにしても、いったん日本国債が売られたら財政も金融システムも共倒れになる危険性が大きい」といったことを言いたいように感じられました。

 そんな事は、日本の政治家も金融システムも、十分承知の上で、他により良い手段がないからやむを得ず、という日本の事情には全く考えが及んでいないようです。

 ビニャルス氏の発言にしても、今はユーロの混乱で、資金がドルと円に逃避し、「恩恵を受けているが」と言っています。とんでもない無理解で、アメリカはいざ知らず、日本は恩恵どころか「円高という大打撃」を受けているのです。

 こうした言葉のはしはしにも知識の無さが明らかですが、日本の金融機関は、他に手段がないから、ろくに金利も付かない日本の国債を買っているのです。
 もしアメリカを始め外国の国債を買えば、日本の国債が値下がりする以前に円高で巨大な損失を抱えることになる恐れ大ですから。

 円債が最もいいのです。利率は低くてもマイナスにはなりません。何しろ95パーセントほどは日本人の貯蓄で支えられているのですから、外国の投機資本の影響は最小限ですし、いざとなれば、自分たちの手でその価値を守ることが可能です。

 如何にだらしのない日本政府でも、国民の資産を守るとなれば、空売り禁止ぐらいはやるでしょう。
 まじめに働いて、経常黒字を出し、世界経済の安定に貢献し続けている日本の国債をネタにして、投機で儲けようなどという輩の不真面目な動機に乗せられては絶対にいけないと思います。彼らこそが世界経済を不安定にしている元凶なのですから。

 IMFは日本に警告する前に、過度な円高を演出し、いつか円暴落で荒稼ぎをしようという国際投機資金の闊歩をきちんと制限すべきでしょう。
 日本の金融機関が、国債保有に走るにも、もとはと言えば、円高続きで、日本企業が投資しても採算の見込みが立たないという現状の然らしめるところで、その先鞭をつけたのが、アメリカの「ドル安・円高」政策です。
 その上で、(日本を巨大災害が襲った際も)アメリカ国債を売らないように圧力を掛け続けます。
 アメリカの本拠を置く国際機関IMFは一体日本に何をさせようというのでしょうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。